隊員の日々の活動記録

2025.12.30

アートによるまちづくり

【市川】2025年 秋のまとめ ― 移住して半年 ―

高鍋町に移住して約半年が経ちました。美術館や役場をはじめ、町のさまざまな方々が、移住者である私を温かく受け入れ、日々の活動を支えてくださっていることに、あらためて感謝しています。分からないことを相談できる環境があること、声をかけてもらえることは、とても心強く、安心して活動に向き合える土台になっています。こうした関係性の中で暮らし、学びながら、自分にできる形で町に貢献していきたいと感じています。まず、一年目はまちを知ることから始めたいと思っています。

移住後続けていることのひとつに、蚊口浜や小丸川沿いを週に4回ほど、1時間程度歩くことが日課になりました。海・川・空が身近にあり、少し足を伸ばせば山にも入れる環境は、東京での暮らしとは大きく異なります。休日にはキャンプやハイキングにも出かけ、町を少し高い視点から眺めることで、地形や水の流れ、人の暮らしの関係が立体的に見えてきました。自然と距離の近い生活そのものが、感覚をひらき、今後の表現や企画の基礎になっています。

高鍋町や宮崎の歴史、文化的な背景、ゆかりのある人物についても少しずつ学んでいます。土地の成り立ちを知ることで、日常の風景が単なる景色ではなく、時間の積み重なりとして感じられるようになりました。図書館で町史資料を読むだけでもとても面白いですが、地元の方との会話から教えていただく話も多く、地域の記憶が今も生活の中に息づいていることを実感しています。こうした学びを、今後の活動に丁寧につなげていきたいと考えています。

この秋には、アメリカ・ポートランドでのアーティスト・イン・レジデンスの発表の場で、高鍋町での活動や印象について紹介する機会がありました。海外の方にとっては馴染みのない町ですが、自然環境や暮らしの密度、地域と関わりながら制作する姿勢に関心を持ってもらえたことが印象的でした。高鍋での日々の体験が、地域の外でも語れる価値を持っていることを実感した出来事でした。

現在、町のさまざまな場所について、デザイナー・アーティスト視点で「もしかしたらこんな可能性あるかも」という想像を個人的に整理し可視化できないかなと思っています。まだ外部に発表できる段階ではありませんが、日常の中で感じた魅力や気づきを少しずつ形にしています。今後は、町の皆さんとも共有し、対話しながら広げていける機会をつくれたらと考えています。焦らず、時間をかけて取り組んでいく予定です。

移住して半年、日々の暮らしや体験を通して、高鍋という町を少しずつ身体で理解してきた秋でした。美術館や役場をはじめ、町の皆さんに支えていただきながら、安心して活動できていることに心から感謝しています。まだ模索の途中ではありますが、この土地ならではの魅力や可能性を丁寧に受け取り、これからの活動につなげていきたいと考えています。今後も、高鍋町と向き合いながら、一歩ずつ取り組みを重ねていきます。よろしくお願い致します。

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